カールの曲がった地平線

都内在住31歳の独身サラリーマンが、日々木工や読書、散歩などを楽しみつつ、いつか脱サラして小屋暮らしや旅暮らしをすることを夢見るブログ

『手作りログハウス(中公文庫)/木下威著』の中に出てくるサンマ寿司を作ってみました。たった100円ちょっとで衝撃的な美味しさです。

『手作りログハウス(中公文庫)/木下威著』はこんな本です

手作りログハウス (中公文庫)

手作りログハウス (中公文庫)

50歳を過ぎた著者は「もう人生のほとんどの時間を使い果たしてしまった」と感じており、「今まで忙しく生きてき過ぎてしまった」と思っています。そのため、これからはじっくりと考える時間を持とうと考えて、ログハウスを手探りで制作することにしました。この本はその体験をベースにしたエッセイです。


本書の構成は、

  • 土地の取得、水の確保
  • 木の倒し方、運び方、削り方、積み方
  • 屋根を葺く
  • 戸や窓を作る
  • 床を張る
  • 炉を切る

というようにログハウスの製作手順の順番に書かれており、これに関連する形で、消えていこうとしている田舎の生活や文化(特に食文化)の話題や、自然保護や環境保護や教育についての話題、そして著者の生い立ちや体験などが挿入されています。


これらの話題は実際、ログハウスの製作以上に興味深くて、いつの間にか著者がおいしいと勧める田舎料理が食べたくなったり、田舎での狩猟の様子を想像してハラハラドキドキしまうこと間違いなしです。


ログハウスの製作について体系的に書いてあるわけではなく、詳しいわけでもありませんが、ログハウスを製作する意欲と自然の中で生活することの素晴らしさを教えてくれる本です。

ログハウスを建てるために、まず土地を手に入れてください。そういう土地を求めるのは、そんなに困難ではない。むしろ問題なのは、そういうところに住もうと考える意思をもてるかどうか、そういうところにログハウスを建てて何日、何ヶ月と過ごせるかどうかだ。


という言葉から読み取れるように、著者が最も伝えたいことはログハウスの具体的な作り方よりも、むしろ自然を身近に感じることができて住んでみたいと思わせるような知識なのだと思いました。

本に出てくる料理が美味しそう!作ってみました

この本には数多くの美味しそうな料理が出てきます。最も食欲をそそられたのは『アユの肉寿司』です。

アユの肉寿司の作り方

刻んだ梅肉をまぜた握り飯と梅肉を持って河原に行き、アユを釣ってその場でハラワタを取り除いて川ですすぎ身の中に梅肉を塗って、平たく延ばした握り飯にそれを覆い被せて作ります。食べ方は豪快で、頭から齧りつくのだそうです。美味しそうだなぁと文章を読んでいるだけで思います。


これはなかなか実行できそうにありませんが、著者が「絶対的にうまい」という『サンマ寿司』なら作れそうでしたので、家で料理してみました。

サンマ寿司の作り方

  1. サンマを釣ってくる。難しかったら買ったのでもよい。
  2. 腹を割いてわたを出し、指を入れて身を左右に開く。
  3. 血は流さない方がよいが流してもまあよい。塩を大さじ一杯ほど振りかけて冷蔵庫に1~2日寝かせる。
  4. (1~2日経過したら)平皿にサンマを広げて酢をかける。多すぎはダメ。
  5. 骨をとる。腹骨も綺麗にとる。はらひれも全部とる。
  6. もう一度酢につけて、10分ほどで引き上げる。
  7. ご飯を丸棒状に延ばしてサンマをのせ形を整える。ご飯は酢飯ではいけない。白米。
  8. これを切る。柚子とサンマを包丁で交互に切ることで、間接的に柚子の香りをつける。


これで完成です。何度か作ってそこそこ綺麗にできるようになってきました。

f:id:hikaru_takeuchi:20151129125350j:plain
著者は見た目が「泳いでるように」作らないとダメだと言いますが、頭と尾びれが皿にのってると恐いので捨ててます。それから、骨をとるのがなかなか難しいです。一生懸命とっている間に身が崩れてきてしまうのです。


課題はありますが、著者が言うとおり味は驚く美味しさでした!わずか100円ちょっとでこの美味しさの食べものはなかなかないと思います。