カールの曲がった地平線

都内在住31歳の独身サラリーマンが、日々木工や読書、散歩などを楽しみつつ、いつか脱サラして小屋暮らしや旅暮らしをすることを夢見るブログ

那覇散歩(泊漁港、旧海軍司令部豪、やちむん通り)

先月、沖縄のとある離島に友人を訪ねて行ってきました。毎年というわけにはいきませんが、もう6度目にもなります。飽き性の割に通ってると自分で思います。その度に、新たな出会いがあったりして楽しいのですが、それでも過去の楽しかった時間はもう二度と戻らないのだと、切ない気持ちになります。同じ場所に何度とない出会いと別れが重なり、いつかその重みで潰れてしまうのではないか、と恐ろしく感じます。

ところで、離島に移動する前に、那覇で一、二泊時間をとって観光するのが習慣となっています。そこで今回は、皆さんを那覇での散歩にお連れしましょう。
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まずやってきたのは国際通り。昨日は夕方那覇につき、市場をうろつき、酒を飲むなどし、国際通りの漫画喫茶「自遊空間」に泊まりました。大抵はゲストハウスに泊まるのですが、1泊だし、人間関係が面倒くさい気分だったのと、ジョジョリオンの新刊が読みたかったのでそうしました。写真じゃ伝わりませんが、朝から強烈な日差しがチクチクと肌を刺しています。
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牧志駅から安里川に沿って北に歩くと、崇元寺跡があります。戦前までは中国式の廟を模した建造物があったとのことですが、沖縄戦で破壊され、今は石門だけが修復されてあります。
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門の中ではふと太としたガジュマルの木の下で、男性が武道の練習をしていました。
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崇元寺から安里川に沿ってさらに北上すると、泊(とまり)大橋が見えてきます。
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泊港にはこれから久米島や慶良間に向かう船が停泊しています。奥に見える箱型の建物のがフェリーの旅客ビル「とまりん」です。
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いってらっしゃい!
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泊大橋はフェリーが下をくぐれるように、あんなに高いアーチになっていたんですね。
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泊港に面して、泊外人墓地があります。アメリカ人や中国人、イギリス人など22人の外国人が葬られています。敷地内にはペリー上陸地の碑があります。
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さらに道に沿って北上すると、「泊いゆまち」に着きます。「いゆ」とは沖縄の方言で魚のこと、「まち」は市場の意味だそうで、名前の通り、中では新鮮な魚介類を買うことができます。以前来た時には、大量のマグロを、切れ味の良い大包丁で手際よく捌いていく人の姿が見れたのですが、今日は日曜日だからか、ひっそりとしていました。鮮魚店に並んでいるものも、昨日までにとれたもののように見えました。
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耐えきれないほどお腹が減っていたので、マグロの握りと切り落としを買って朝ごはんにします。手に乗せるとずっしりとした重みを感じるほどのマグロ。お腹いっぱいマグロを食べたい!、という当初の欲望は、これ以上食えないという幸せな苦しさに変わっていきます。
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「なんなら手伝ってやるにゃあ」。そこに救世主を装った食いしん坊登場。

「お代は100円になります。」

「…」
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「知らないにゃぁっ!」っと駆けていきました。

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無人の漁港。居るのは水の滴る鏡のような床を這うフナムシの兄弟だけ。
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朝ごはんが済んだので、ゆいレールの見栄橋駅まで歩きます。そしてやってきたのは奥武山公園駅。ここからバスに乗り、旧海軍司令部豪にやってきました。
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豪はちょっとした高台にあり、町が一望できました。那覇の町は骨のように白いコンクリート造りの建物が多いので、なんとなく統一感があります。
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豪は440円ですが、ゆいレールの1日または2日フリーパスがあると350円に割引されます。ゆいレールは3度以上乗るならばフリーパスの元が取れるので、大体の場合買った方がお得です。
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階段を下っていくと、迷路のように入り組んだ地下壕が広がっています。沖縄戦当時、ここに日本海軍の司令部がおかれました。その作戦室や司令官室などが当時のまま保存されています。また、幕僚が自決した際の手榴弾の破片によってできた無数の小さな穴が壁に残っています。
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大田司令官が自決する前に本土に送る電報を推敲した部屋もあります。内容は、要約すると「沖縄県民は戦争でずっと壮絶な苦難を強いられたから、これから先、沖縄県民のことを考えてあげてな」という内容。
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地上に戻ってきました。再びゆいレールに乗り、牧志市場に行きます。伝統工芸館前で何かの祭典が行われていました。エイサーの機敏でエネルギッシュな動きと音に、つい見入ってしまいました。
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松原屋製菓でサーターアンダギーを買って、齧りながら広大なアーケードの中を行き来します。
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公設市場の裏手にソーキそば390円のお店がありましたので、ここでお昼にします。とても美味しくて、大満足の一ドンブリでした(紅ショウガは乗せ放題です)。
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お腹が膨れたので、市場をさらに奥に進み散策を続けます。アーケードを抜けるとやちむん通りに出ました。「やちむん」とは焼き物の訛った言い方で、やちむん通りに沿ってたくさんの工芸品のお店が出ています。また、焼き物を焼く窯もあるようです(写真は南ヌ窯(フェーヌカマ))。
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東ヌ井(アガリンカー)前のシーサー。スベスベしていて、硬いソフトクリームのようで、ついつい触ってしまいます(とくに巻き毛のところ)。
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壁にシーサーやら、陶器やらが埋め込まれていて面白いです。
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青々とした南国植物の蔓延る小道。
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そしていきなりの生首!歩いているとよく「石敢當」という単語が目に入るのですが、これは魔よけのための石碑や石標のことを意味するみたいです。
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さて、そろそろフライトの時間が近づいてきました。散歩はここで終わりにして、離島へと向かいましょう!

安くて健康的、何より作るのが超楽なお弁当

 先々月のことですが、人事異動で別会社へ出向となりました。勤務地、業務、会社の風土、全てがこれまでと大きく変わりました。早く仕事を覚えなくてはという焦りと、見るもの聞くものが新しい新鮮な気持ちの拮抗が、近年感じていなかった前向きな平穏を心にもたらしています。
 前の職場よりもワークライフバランスがきちんとしていて、仕事をさっさと終わらしてきっちり帰宅することができるので、増えた時間を使って勉強したいと思うことも出てきた。僕の日常生活の食卓に、肉や野菜だけでなく、希望が乗っかっている、そう思えることはなんて嬉しいことだろう。

お弁当を作り始めました

 さて、今回は一人暮らしのサラリーマン(僕のこと)のお弁当について書きたい。そう僕はお弁当を作り始めたのです。というのは周りに手頃なお店がないから。職場の建物の中だと1000円はかかる店しかないし、近場の繁華街まで徒歩で10分かかるし、500円はかかってしまう。さらに昼時の混雑に巻き込まれる。たまにはいいけどさ。唯一、建物にコンビニが入っているので、しばらくはそこを使っていたけど、これも450円はかかってしまう。
 「そんなにコストを抑えたいのなら菓子パン食べればいいじゃない。カップラーメン食べればいいじゃない。」という声が聞こえてきそうだ。実際そうしている人もいるけど、なんだか栄養バランスが悪い気がする。いや、きっと悪い。確かにコストを抑えたいのは本当だ。金ないもん。けれど、金をケチって不健康になるのもいいとは思えない。ところで、外食だって栄養は偏っているに違いないから、これはコストをかけてさらに不健康になることになる、と考えると不条理に思えてくる。そこで、「安くて簡単なお弁当で、栄養満点なものが作れる!」という信念のもと、お弁当を作ることにしたわけだ。

お弁当の条件

 お弁当は以前も挑戦したことがあるけど、長続きしなかった。そのときは前日の夕飯を多めに作り翌日のお弁当のおかずに使っていた。これがなぜ続かなかったのだろうか?怠惰で全て説明がつくところだけど、じゃあなんで面倒くさいのかっていうと、手間がかかりすぎる料理をしていることだ。だから、お弁当を作るならば、面倒だという気が起きないほどシンプルで簡単なものにすべきだ(僕のような面倒くさがりは)。またほかの理由として、前日の夕飯の全てのおかずが、弁当のおかずとして利用可能とは限らないということがある。たとえば僕は夜に揚げ出し豆腐や刺身を肴に晩酌するのが好きだが、豆腐も刺身もお弁当のおかずとしては使えない。そもそも翌日のお弁当を考えながら夕飯を作るのは複雑すぎて僕には無理だから、夕飯とお弁当は独立していることがよい。
 上記を踏まえ、今度こそお弁当を続けるために、僕が必須だと思うお弁当の条件を作ってみました。

  • 超簡単に作ることができる。作ったことを本人も気づかないうちに出来上がっている。後始末が簡単。
  • 栄養バランスが優れている。
  • 前日の夕飯などから独立している。また、当日になって外食へ変更することが可能。

条件を満たすために

 すぐ思いつくのが、昼食の全てを保存食にして職場に保管すること。これならば上記3条件は楽々クリアできるに違いない。保存食といっても、自分で加工するのではなく、売っている状態のままのもので済むならなお楽である。
 ここで、売っている状態のままのものでも、嵩張るものや、臭いの出やすいものや、ゴミの出るものは却下します。たとえば、以前職場に切り干し大根をストックしていたことがあるが、いかに袋を密閉しても、干物独特の発酵臭が微量だが漏れるのだ。また、サバ缶やツナ缶も重宝していた時期もあるが、職場のゴミ箱の環境によっては臭うだろう。缶詰は何より高いし、保存料も気になる。

気になるお弁当

 食材の栄養成分を調べることができる以下の素敵な2サイトで、さまざまな食材を検索すること約1時間…。

 
 整いました。
 

《お弁当》

  • 玄米ごはん(160g)
  • いりごま(9g(大さじ1))
  • 焼きのり(3g(一枚))
  • 高野豆腐(20g(一個))
  • インスタント麺(45g)

コメント

メンバーの紹介

 まず、健康食品として耳にする玄米ですが、実際に栄養素を調べてみると、白米に比べてカリウムマグネシウム、リン、鉄などのミネラルや、ビタミンB系、そして食物繊維などが豊富に含まれています。カロリーやタンパク質量は白米と同等です。いずれにしても、栄養バランスを考えるうえで強力な助っ人たること間違いありません。
 次にいりごま。これは大さじ1でカルシウムが100mg程度とれるみたいです。これ以外は鉄分が多めとはいえ、特段とびぬけている栄養素はないのかもしれませんが、スタメンとして堂々とデビューさせてあげましょう。
 そして、焼きのり。カリウム、ビタミンAが多いみたいですね。それからβカロテン当量、ビタミンKという僕は知らない栄養素ですが多いみたいです。薄くて軽いにも拘わらず、焼きのり選手に秘められた栄養素に期待して、登板。
 それから高野豆腐。タンパク質、カルシウム、リン、鉄、亜鉛など、玄米に次いでさまざまな栄養素がバランスよく含まれている万能選手ですね。ちなみに、職場には電気ポットあるので、高野豆腐はお湯で戻して食べます。
 さてさて次。…おーっと、これは意外だー!インスタントラーメン選手。これは考える余地があると思っているのですが、玄米だけだとエネルギーが足りないこと、インスタント麺にはカリウムとカルシウムが多いことから含めてみました。とはいってもインスタントメンは高いし嵩張るので、もっと適役が見つけるまでの代役という感じです。

メニュー全体について

 最後にメニュー全体についていうと、足りていない栄養素(1日分の必要量の3分の1を下回るもの)はカリウム、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンCです。また、マンガンは過剰摂取となっています。食塩も若干多めですね。
 コストはというと、玄米70円、いりごま20円、焼きのり30円、高野豆腐30円、インスタントメン50円といったところです。合計200円で、大体の栄養素がとれることが分かりました。

 一週間ほど続けてみたところ、味は続けていけそうな範疇でした。しばらくこれでやってみようと思います。

鹿児島旅行 3日目(開聞岳登山、枕崎)

5:45開聞岳に登り始める。薄暗い山道が徐々に明るさを増してくると、「夜のうちに開聞岳に登る」という昨晩の考えが全く無謀だったと思い知った。


なぜなら狭い山道は分かりづらい上に段差が多く、また拳大の火山弾がごろごろしており、滑りやすくて足場が悪いからだ。まだ3合目だというのに疲れて座り込んでしまった。

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開聞岳から見えた長崎鼻佐多岬


4合目くらいからは山道に木々が生い茂っている。山道は険しく、ごつごつした岩も増えてくるのだが、この木々を上手く使って体重移動していくと予想外に疲れが少ない。全身を使って山を登っていく感じだ。


山道は、開聞岳を時計回りに回るようにして続いており、西側に回り込むとちょうど朝陽の陰となり涼しかった。この辺りになると、道というよりも巨大な岩の上を這ったり跳んだりしながら登るので、まさに大きな岩山を登っているような気持だった。落ちたら死んでしまうような箇所もちらほら。

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▲西方面。目がくらむ。

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▲そして8:15山頂到着。奥に見える湖が池田湖です。


大体2時間半で登頂することができた。早朝から登り始めたので、人が少なくて快適に登ることができた。頂上で休んでいると、続々と人々が登ってくる。そしてほとんどの人が2時間や2時間ちょっとで登ってきたようなので、健脚だなと感心した。

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▲降りるのも一苦労。


下山して、昨晩泊まった「最後のトイレ」のある芝生まで戻り、汗まみれのシャツや靴下を芝生に広げて乾かした。そしてコンビニで朝飯を買い、開聞駅へ。12:07の列車で枕崎へ向かう。

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13時前に枕崎到着。ここが本土の始発・終着駅だ。過去には線路がさらに西側に伸びており、半島を一周できたらしい。


枕崎からバスで知覧へ行く予定なので、駅前の観光案内所に赴きバスの時刻を調べる。次の知覧行きのバスはなんと16時過ぎ。一方知覧の武家屋敷が閉まるのは17時。とても観光している時間がとれそうにないので、今日は枕崎に留まってぶらぶらすることに決める。

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まずはおさかなセンターでかつお丼を食べる。身が厚くて油が無くあっさりとしていて美味しい。

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それから火之神公園へ。海から突き出ている奇岩は枕崎市街からも目立つ。遠くに開聞岳の整った山形が薄く見えた。公園は芝生となっていて人の気配が少ないので、今夜の宿はここに決まりだ。


宿が決まったので温泉に浸かりにいく。なぎさ温泉は火之神公園から枕崎港を挟んで対岸の高台にあり、歩いて5キロほど。もう足がクタクタで歩くのがやっとだった。なぎさ温泉からは火之神公園の奇岩が見えた。ちょうど夕暮れ時だったので、ノスタルジックな眺めだった。

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温泉後は駅前の愛助家でかつおラーメンを食べた。ラーメンにかつおが乗っているだけで至って普通だった。

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夜が深くなるにつれて風が強くなった。幸いにして雨は降らなかった。風速9mが風音を気にせず安心して眠ることができる限度かなと思った。

鹿児島旅行 2日目(指宿→西大山→長崎鼻)

昨日は飲みすぎた。二日酔いを感じながら8時ごろ起床。今日から2日間は友人のもとを離れ、一人で観光します。本日は、指宿、西大山、長崎鼻に行く予定です。


まずは鹿児島中央駅から電車にのり、指宿へ行きます。30分に一本ほどの運行なので逃すと残念だが、ぎりぎりで予定通り9:17鹿児島中央発に乗ることができた。
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▲電車は2両のワンマンで、線路は単線だ。


車両は軽やかな走りだ。線路の凹凸で車体がポンポンと跳ねるので、脱線するのではないかと心配になるくらいだった。50分ほどで指宿に到着した。
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▲指宿駅前の商店街。閑散としてた。
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▲駅から真っすぐ歩くと、すぐに海に出た。


海岸沿いを歩いて砂蒸し会館 砂楽にやってきた。浴衣に着替えて砂浜へ降りると、すだれで覆われた日陰の下に、首まで砂に埋もれた人が並んで寝ており、従業員が大きなスコップで砂を掘っては乗せるザッ、ザッという音が響いていた。
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砂蒸し温泉

砂は思ったよりも熱く、重量があり、体全体が熱い塊でぎゅっと圧迫される感じ。これが気持ちよく、目安である10分を少し過ぎるくらいに寝ていると、顔が火照った。すだれの隙間からは、真っ青な空を悠々と飛ぶ鳶が見えた。


起き上がり、砂まみれのまま室内に戻り、砂を落とした後、通常の温泉にゆったりと浸かった。湯船の上の板に記載されている情報がなかなか面白く、うろ覚えだが、温泉では社長も犯罪者も対等だ、みたいなことが書いてあった。


再び駅まで戻り、13:18指宿発の電車に乗った。20分ほどで西大山駅に到着。ここは日本最南端のJRの駅だそう。
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▲駅からは開聞岳のすっきりと尖った姿が見えた。
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▲幸せを届ける黄色いポスト。実際に使用できるとのことですが、手紙を書く時間がなかったので何も投函しなかった。
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駅前の売店で昼ご飯を食べた。焼き芋とおにぎり二つ。さまざまな種類の漬け物が食べ放題だったので、塩分補給も兼ねてたくさん食べた。冷茶もおいしかった。


さて、西大山駅から歩いて長崎鼻へ向かう。距離にして5km弱。暑さのせいか意外と疲れたが、日差しのやや強い、さわやかな、青々とした田園風景の中を歩くのは気分爽快だった。

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長崎鼻からは湾の対岸となる佐多岬が見えた。

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開聞岳は、まるで海に浮かんでいるかのよう。


16時のバスで開聞駅へ。駅は、草の上にコンクリの立方体がのっかっただけのプラットフォームの無人駅だった。商店街などあるだろうと期待していたが、見当はずれだった。唯一近くにコンビニがあったので、食料は問題ないことが分かり安心した。


安心したところで、唐船峡の流し素麺が美味しそうなので、夕食に行くことにしました。駅から徒歩3km程。途中で寄り道して枚聞神社と玉乃井を観光しました。

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▲玉乃井

玉乃井は日本最古の井戸と伝えられており、古事記の中の海幸彦と山幸彦の神話に出てくるとされる井戸です。
9. 玉乃井|鹿児島の神話街道|神社Web 鹿児島県神社庁|鹿児島県は神話の国 鹿児島神話街道 伊勢神宮 神宮大麻


唐船峡では、流しそうめんの店が何件か集まっていたが、市営の流し素麺にしました。市の職員がせっせと素麺を茹でているのかと思うと少し面白いです。

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素麺、ニジマスの塩焼き、ニジマスの刺身、おにぎり二つ、ニジマスの粗汁、これで1650円でした。美味しくて大変満足でございます。ニジマスは小骨が多いが、身が引き締まっていて歯ごたえがあり美味しかった。


さて、薄暗くなってきました。今夜の寝床は開聞岳のつもりです。山道の途中に東屋くらいあるだろうから、そこで寝ればいい、というわけ。そうすれば、早朝に山頂にたどり着けるだろうし、一石二鳥だぞ!そう思い、コンビニで食料と酒を調達し、登山口へ向かいました。


しかし、薄暗い中、登山道の入り口まで来てみると、そこには左右に羊歯の生い茂った、肩幅くらいの真っ暗な道が、ぽっかりと空いた穴のように続いていた…。一目見て、この先に進むのは無理だと悟りました。「絶対にやめた方がいい!」と野生の勘が告げていました。


山を少し下ったところに「最後のトイレ」があるが、その周辺が芝生の広場となっていたので、そこで寝ることにしました。

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ビールを飲み。19時くらいには寝てしまった。頭上には星が見える。風は無く、気温は少々寒いくらい。流れ星もいくつか見えた。ちょっと恐いが、野宿もなかなか快適だ。

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翌朝5時。綿のような雲が赤い三日月に照らされて透けている。とてもきれいだ。その薄明かりの中で、徐々に鳥たちが朝の会話をし始める。虫も眠りから覚める。急に森に活気づき、気づくといつの間にか朝が始まっていた。この突然の朝の始まりに驚いてしまった。

鹿児島旅行(概要および1日目)

今月はGWに5泊5日で鹿児島を旅行してきました。鹿児島県は5年ぶり、3回目の訪問となりますが、前の2回は弾丸だったり仕事関係だったりなので、じっくりと観光するのはこれが初めてでした。市内観光はもちろんですが、指宿、開聞岳、枕崎と西南地域も訪れることができ、鹿児島が身近になりました!


ところで、なぜ今回鹿児島に決めたのかというと、転勤中の旧友が住んでいるからです。目論見通り、家に泊めてもらえ宿代が浮き、市内のグルメなお店をいろいろ紹介してもらえました。友人が暮らしている街を縦横に歩きつくし、雰囲気だとか、土地勘だとかを少し共有できたと思うので、それがまたとても楽しいことでした。


正直、鹿児島は住みたいほど気に入った街となりました。食べ物は美味しいし、景色は雄大だし、人々は素朴で親切だし、温泉あるし。とりわけ、綺麗で健康的な女性が多いのがよかったです。

旅程

4/30(土)夕方鹿児島空港着。18時天文館着。友人とその彼女と夕飯
5/1(日)指宿→西大山→長崎鼻→唐船峡
5/2(月)開聞岳→枕崎
5/3(火)天文館、ドルフィンポート
5/4(水)鹿児島市内(鶴丸城→城山公園→異人館→石橋記念公園)
5/5(木)仙巌園、17時ごろ市内出発。空港へ~

費用

  • 航空券……往復で5万円を少し超えました。GWだからか、高かったです。
  • 宿泊費……友人宅泊と野宿で0円
  • 食費……3万円くらいは使ったかな?宿代が無い分食べまくりました。
  • その他……約1万円

合計約9万円となりました。

1日目

飛行機にはもう何回も乗っているのに、毎回そわそわと落ち着かない。忘れ物がないか、戸締りや火の元などが気になる。きちんと確認してきたにもかかわらず、思い出さずにはいられない。離陸して、東京湾や、湾に面した港町が小さくなっていくのを見て、ようやく気持ちが落ち着いてきた。

 
読書をしているとあっという間に鹿児島上空。眼下には、青々と幾重にもなった山々が続いている。とりたてて高い山はないため、皺くちゃにした木綿の生地を広げたようだった。地表がだんだんと近づいてきて、着陸!

 
空港からバスで鹿児島市内へ。友人とは天文館で待ち合わせしていました。このバスは天文館を通るのですが、せっかくなので鹿児島中央駅まで行き、徒歩で天文館まで逆戻りしてみることにしました。

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鹿児島中央駅。駅前には、幕末にイギリスへ留学した青年たちの像がありました。

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▲甲突川。この周辺で、西郷隆盛大久保利通が生まれ育ちました。川岸ではフロックコートを着た大久保利通の銅像が、橋を渡る人々を見下ろしています。

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▲ザビエル公園。宣教師フランシスコ・ザビエルが日本で初めてキリスト教布教を行ったのがここ鹿児島でした。教科書の挿絵で見た顔とは結構異なりますね~。

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▲そして天文館到着。名前の由来は島津重豪(斉彬の曽祖父)が建てた天体観測所(その呼称の一つが天文館)があった場所だからとのことです。アーケードを隔てる道路に路面電車が走っており風情があります。

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天文館はアーケードの周辺にもそれぞれ違った雰囲気の路地がのびており、賑わいがあります。路地はわりと幅広で、整然としており、居酒屋とオシャレなレストランとキャバクラなどが割と入り乱れている印象でした。

 
天文館は、以前の2回の旅行でも来たことがあるのですが、今回彷徨ってみて、ようやく点と点が線になったように感じました。頭の中でグニャリと曲がって、釈然としなかった地図が、整理されたように思います。そして、過去に歩いた道順を想起すると、さまざまなことが思い出されます。旅行は、新しい景色をみせるだけでなく、過去についても教えてくれるものですね。

 
友人らと合流し、鹿児島県黒毛和牛の熟成肉専門店Gyudo!で夕飯を食べました。とにかくうまかったです。

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▲それから本格焼酎バー礎へ。1500種類の焼酎を置いているとのことです。これだけでたいへんな種類の豊富さなのですが、焼酎全体ではなんと3000種類くらいあるらしいです。

 
美味しくてついつい飲みすぎてしまいました。